悪魔の毒々クチビル

悪魔のような女の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

悪魔のような女(1955年製作の映画)
4.0
ここで見たことは友達に話すべからず


クソ夫を妻と愛人が協力して殺害するも、遺棄した筈の死体が見付からずさぁ大変なお話。

50年代の映画って凄い久々に観た気がする。
そして初アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督作品。

ぬへぇ、こりゃ良いじゃないですか。
まず妻と愛人が協力して夫を殺害っていう泥沼展開なんだけど、そもそも極秘の愛人でなくてある種公認(というか黙認?)的な存在だし同じ学校で教師をしている時点で中々ぶっ飛んだ設定だなと。
劇中は「あれ?友達同士だっけ?」と思ってしまう程基本この二人が一緒の場面が多いのも印象的でした。

で、プールに沈めた筈の死体が無い!ってなってからは二人とも大慌てで、特に妻の方は心臓が元々悪いのもあってメンタルが杏仁豆腐並みの脆さなので観ていて変な危うさも感じられます。
死体は無いのに謎の人物からクリーニングされた夫のスーツが届くし、学校で集合写真を撮ったら夫らしき顔が写り混むはでどんどん二人の精神を追い詰めていくじわじわ展開も良かったです。
特に写真のあの写り方はモノクロなのも相まって超不気味でした。

終盤はこれまた人影や暗闇を利用した恐怖演出でこれでもかと主人公を追い詰めていき、明らかになった真実に「おぉ、なるほどね~」となりスッキリするんだけど最後のオチで別次元の恐怖を仄めかしてくるもんだから「うおぉ……」と素直に怖がっちゃいました。

リメイクもされているようですが、評判そこそこっぽいので両方観るにしてもまずは此方から観賞した方が良いかなと。
一応「ネタバレしないでね」というメッセージがラストにあったので、短めに纏めました。決して連日の疲れで眠くなってきたからではないです。