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悪魔のような女のkaoruiのレビュー・感想・評価

悪魔のような女(1955年製作の映画)
3.5
午前十時シリーズにて。
生理的に視覚的に怖いクルーゾー作品。映像を、そして観客を信じているのだ。
有名な風呂場のシーンはもちろんなんとも禍々しい闇に澱むプールの絵。そこに子供を潜らせるのだ。あかんやろこれは、と浜松の地で一人突っ込む関西人の僕。油の池に沈殿するルイジを踏みにじり進む『恐怖の報酬』を彷彿とさせる。このシーンも、流石にこらあかんやろ、と関西人一堂一斉に突っ込んだものだ。

ボワロ=ナルスジャック脚本ということで、ヒッチコックが撮ってたらこのシーン、どうなってただろう、なんて妄想もまた楽しい。
探偵のくだりや下宿している夫婦のくだりに重きを置いたかもしれない。
我らのクルーゾはサスペンスをバッサリ刈り込んでひたすらスリラーに描く。生理的に逆撫でするのだ。ぼくはどっちも好きだ。

惜しむらくは清楚で弱々しい設定のヴェラクルーゾの貫禄、酒灼け(?)した声。嫁さんに清純コスプレさせたかったんやろなーっと不純に思ってしまい、不純に堪能する僕。
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