ジャイロ

悪魔のような女のジャイロのレビュー・感想・評価

悪魔のような女(1955年製作の映画)
4.0
死体が消える映画を観たい。

今目の前に死体があってそれをなんとかしたくて解決方法を映画に求めてるというわけではありません。ロストボディやアイデンティティーを観るための前フリでもありません。単なる思いつきです。映画の楽しみ方は自由ってことで。


真夏の夜のミステリー消える死体の映画祭2018


1本目はヒッチコック大先生と言いたいところなのですが、先生の作品、初期のものはお取り寄せが多くて…諦めました。よってこちら、3本目を予定してましたが繰り上げです。悪魔のような女の人です。デビルです。デビ夫人です。でも蓋を開けたらデビ夫人側に立って応援してました。男がクズ過ぎてね。頑張れデビ夫人!!!
(デビ夫人…男前だな…)

本題行きます。今回は映画そのものの評価ではなく、以下の観点で評価して点数をつけようかなと。作品の面白さには全く関係ありません(気にする人、ごめんなさい)。

デフォ1点+以下それぞれ1点で

①死体の消し方に趣向を凝らしているか
②背景
③意外性
④美しさ

①趣向=0.5
死体の消し方に名探偵コナンばりの趣向を凝らしているかどうかですね。なかなか消えなくてやきもきしました。そしてようやくプールね。わかる。わかります。濁ってるんですよ。水が死んでます。絶対ヤゴいるわー。
浮かぶってどっかの法医学者が言ってた気がするけどね、なかなか見つからなくて、デビ夫人も痺れを切らすわけですよ。んで結果いないの。消えてちゃってるの。あんなに重かったのに?多分ヤゴに食べられてるよこれ。ひと切れ残らず。想像したらかなりスプラッターだな。
結果、趣向は凝らしていませんでした。ヤゴだったら満点でした。惜しまれます。0.5

②背景=1.0
原作者のボワローさんとナルスジャックさんは、二人名義で推理小説を書いておられたようです。あのヒッチコック大先生の『めまい』もこの人たちが原作。二人で作品を作るなんてすごい(藤子不二雄かゆでたまごしか思い浮かびませんが)。作品を作るために日夜激論を交わしてたのでしょうか。それだけで映画ができそう。
更に監督のアンリさんはあの『恐怖の報酬』の監督。なるほど。これは期待大。監督の当時の妻であるヴェラさんも悪魔のような女を主演しています(デビ夫人じゃない方)。夫婦で映画作りに携わるなんてもうそれだけで胸熱。伊丹監督やユーリノルシュテイン、上田監督がパッと思い浮かびました。文句なしの1.0です。
(でもこの評価、死体に関係無いな…)

③意外性=1.0
伏線が張ってあるわけですよ。これ、あとあと効いてくるなって。わざわざ強調してくるんですよ。でも死体の消し方に関して言えば意外性はないと思ってました。
が、ありました。意外性。読めませんでした。満点です。1.0

④美しさ=0.2
ここでは仕事に対するプロ意識みたいなことを評価したい。一死体に対する死体職人のこだわり、もしくは俳優魂的なものをね。インパクトよりも細部を重視。
死体が生前のクズさを体現していて好評価。垂れた髪の毛に哀愁のような同情のようなものを微塵も感じませんでした。これも好評価。でも白目はイマイチ。本物の白目を見たことあるけどそれに肉薄できてない感じでしたね。なんかこう美しくない。よって0.2

全体を通して

子供の優しさに+0.1
倒れ方、かわいい+0.1
最後に、モネの誠実さに+0.1
(なんかグリフィンドールに加点するマグゴナガル先生の気持ちが分かってきた気がするぞ。死体関係無いな~う~ん)

あっ、作品は面白かったですよ。