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飛行士の妻のooospemのレビュー・感想・評価

飛行士の妻(1980年製作の映画)
4.2
『緑の光線』でも主演していたマリー・リヴィエールは、わがままで気まぐれで言動が首尾一貫しないキャラクターを演じても、憎めなくて、可愛らしく見えてしまうから不思議。このひとが演じる女性って個人的に私と共通するものが多くて、我ながら支離滅裂さに呆れるけれど、そうよね自由に生きたいよね、って、自分を見ているようでちょっとこそばゆい。だからわがまま聞いてくれる優しいフランソワは手離したくないし、でも本能的に飛びつきたいのはクリスチャンみたいに人を傷つける危険な男だったりするし、バカっぽいけど退屈しないセルジュは普通に好きだったりする。フランソワに態度悪いの許してねと思いつつも、自分が魅力的だと知っているから自然と優位に立ってしまったり……うーん分かる、ロメール、何で分かるのー。全部お見通しだ。そんな私たち(勝手に一人称複数になっている)はあなたみたいにちゃんと全部を見つめてくれる賢い人が大好きだよ。
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