TaiRa

飛行士の妻のTaiRaのレビュー・感想・評価

飛行士の妻(1980年製作の映画)
5.0
出て来るやつ、ろくでもない人ばっか。でもそんなもんか。パリだし。

学生くんが年上の女と付き合って、経験も浅けりゃ思慮も浅くて、いつもウザがられていて、女の元カレは既婚者の飛行士で、突然いなくなったと思ったら明け方に訪ねて来て別れ話、学生くんはそれに勘違い込みで嫉妬するし、女も朝からそんな調子でやってられない、そういうしょうもない一日の話。ロメールの尾行描写って間抜けで好き。庶民レベルのサスペンスというか、下手クソな尾行だから。学生くんが夜勤明けで喫茶店行くとすぐ寝ちゃうのが最大のサスペンスだし。そんなんしてる間にうっかり仲良くなっちゃう女子高生がかわいい。公園の場面はやたら長いのにずっと楽しい。写真におさめて証拠残そう作戦のしょうもなさとか、ドイツ語のスラング?とか。学生くんが彼女の家行ってうだうだとダルい痴話喧嘩するとこ、女の方も大概ズルいけどね。終わるの分かってる関係だけど、都合良く保たせてる感じとか。まぁ、めんどくさい人のとこには、めんどくさい人が集まるんだけど。最後の虚しさがやたらリアル。まだ始まってすらいないときめきが終わっちゃう例のアレ。でもそんなもんでしょ。パリだし。
TaiRa

TaiRa