やま

ジョゼと虎と魚たちのやまのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
3.6
妻夫木聡凄いなぁとまず思わされる。
もはや演技じゃなくて、そこで起きているかのような演技。もちろんまわりの池脇千鶴さんだとか、新井浩文さんとかもすげえんだけど、彼だけ別格。

足の障害を抱えた彼女の足になってあげる彼。上手くいきすぎなストーリーに感情移入は全くできなかった。セフレ?だとか、彼女がいるのに、そんなことありか。少しの葛藤もない。たぶんあのキスの仕方からして、ヤリチンなんでしょう笑

ただ池脇千鶴さん演じるジョゼのキャラが惹かれる。足の障害なんかもろともせず、堂々とし、自分の世界観を持ってる。自分の世界観を持っているっていう面では、新井浩文さんの役もそうなんだけど。
てか、池脇千鶴さんってこんな大胆なことするんだとも思わされた。

重荷に耐えられず逃げてしまった事に泣く彼の演技が、この映画を良いものにしてる。役者の力でここまで映画は良くなるのかと。

カットのつなぎが結構面白いのがあった。主人公の彼が弟と会うファーストシーン。弟はおそらくあの窓から手を振っているおばさんのヒモなんでしょう。彼らの横にいた学生が裸をジッとみてる。そこからの女の子へのシーン。こういう繋ぎ方もあるんだと。

恋愛映画で、自分が一番注目するのは、ラブシーンでどういった映画らしい演出があるか。この映画だったらトイレのシーンが良かったなと。彼に投げたトイレットペーパーが転がっていた上からのショットが非常に良かった。

ずっとそばにいてあげたいけど、逃げてしまう。そんな切ないラブストーリーでした。両親に紹介できない場面が決定的でしたね。
やま

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