ひでG

ジョゼと虎と魚たちのひでGのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
4.0
無料配信を利用して2度目の視聴。

正直初見はパッとしなかった。
もちろん、主演の池脇千鶴と妻夫木聡の演技は印象的だったが、後味はイマイチ。

妻夫木聡の決断がどうもしっくり来なかったのかもしれない。

ただ、今回少し印象が違った。

それはよく使われる言葉だけど、
「等身大の良さ」なのかもしれない。

まず妻夫木聡。本当に普通の大学生。悪い奴じゃない。明るいし社交性もあるし、そこそこ女の子にもモテる。
でも、とびきりの正義感や優しさがあるわけじゃない。

ジョゼとの出会いも改めて考えたら、あのシュチュエーションしかないのかな、て巧みさがある。

バイトの朝帰り【居酒屋でなく雀荘というところもある程度、そーゆーところにも対応できるよって絶妙の設定!】と
その時間しか外に出られないジョゼの唯一の接点。

そして、妻夫木君がジョゼたちに惹かれていった最大の要因も、まあ考えれば
「そこしかないわな、」て、いうピンポイント!

そう、それは食欲!
いろんなことが出来ず、社会から離れて生活しているジョゼとお婆ちゃん。
でも、食べることをおそろかにしていない。
食べることへのこだわりと捨てられた古本
を読むという彼女たちなりの「文化的な生活」が営まれている。

劇中の妻夫木君も観客も、「かわいそうだな」とシンパシーを感じつつも、「悲壮感一色」にそまることはない。

映画であまたの家族を見てきたが、ジョゼたちより経済的に豊かであっても、極貧の食事をしている家族はたくさんあった。
それに比べると、彼女らは、ちゃんと自分たちのライフスタイルを持って生きていたのである。

そして、妻夫木聡は彼女らに「与える存在」として登場したのではなく、
「与えられる存在」としてつながりを求めていったのだ。

妻夫木聡がジョゼにとって「与えれる存在」になってき始めると、ジョゼたちは彼を拒否し出す。他人から与えられることに慣れていないのだ。

でも、渇望している、誰よりも強く深く渇望していた、ってことが、映画中盤の二人が初めて結ばれるところに一気に噴出す。

池脇千鶴渾身のラブシーン。
そう、こーゆーラブシーンが意味があるラブシーンなんだよね!
お見事!千鶴!

妻夫木君は優しいよ、いい奴だよ、
でも、でも、普通の男の子なんだよ。
一歩も二歩も踏み込んだ「覚悟の愛」までは到達できない。

だからって、それは強く責められないよね。

ここにもう一人重要な人物が描かれている。妻夫木聡の恋人役上野樹里。
可愛いけど、中身がない。でも、魅力的。
男にとっては、「そっち選んじゃうよ、、」て存在。ある意味上野樹里の代表作かもしれない。中身がないからこそ、やたらと魅力的に写る。

普通じゃないジョゼとの旅行。
普通じゃないけど、すごく人間的!
「デートの持ち物を何十回も確認した」ていうジョゼの超絶純粋さ。

でも、でも、彼はあまりにも「普通の男」だったのかもしれない。

初見で見落としていた、最後のデートシーンや別れのシーンが今回はやけに切ない感じた。
彼女のラストショットも、でも、、!て
ジョゼらしくて、よかったわ!

浅くない、日本映画にしては、味わい深い恋愛映画になっています!
おススメです!