3Dメガネ

ジョゼと虎と魚たちの3Dメガネのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
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【ロミオになりきれない男】

ある男は1人の女性と恋に落ちる
足が不自由で歩くことができない女性と

好きになってしまえば、外見は関係ない
大切なのは心であるのだと
善人であればそう言うだろう
だけど現実はそう単純ではない

日本社会は同調圧力、見えない圧力が強い国であると思う。本気で思っていないことでも建前という言葉を盾に使用する
ほんとは可愛くないのに可愛いと言ったり
ただの知り合いに対しても友達だから〜と言ったりして利用したりすることもある

その建前が社会全体を支配している日本では、息詰まる瞬間が出てくる
直接態度では示さないけど、心ではわかる
本当の目線、気持ち


今作の主人公はそんな圧力に負けたのだと思う。心では愛していた、一緒に過ごしたかった。でも呼吸しづらい社会だった

そんなこと関係なく愛せという意見もある
だが誰もが真実の愛を誓うロミオではない
ましては20代では中々持てないだろう

誰だってロミオみたいになれれば良いのに
社会に抗う力がなくても、愛は存在する
それだけは確かに存在していた
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