Noppy

ジョゼと虎と魚たちのNoppyのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
3.9
昔から気になっていたけど、観たことなかったのですが、これもレビューを読んで背中を押されるように観ました。
うーん!切ない🥺
障害を持つ彼女とのラブストーリーとは
簡単にくくれません。あまりにもリアルで。

ジョゼの世界は貧しい小さな家の中が全て。
学校にも行かず、隠されるように暮らしています。おばあには「人の役にたてない壊れもの」と言われています。
でも時々、足の悪いおばあに頼み乳母車に乗って散歩に連れて行ってもらいます。花🌸やネコ🐈が見たいから。
おばあがゴミ捨て場で拾ってきた様々なジャンルの古本が、ジョゼの世界を少しだけ広げてくれます。
そんなジョゼの世界に入り込んで来た今時の大学生、常夫。
全く違う人種の2人は互いに惹かれ合い、
恋人同士となります。
幸せな時間を過ごしているかのように見えた2人でしたが、だんだん常夫はジョゼの障害を重荷に感じます。
男は弱いね😫分かって付き合ったんじゃないの?
ま、それが綺麗事じゃないリアルさだけども。
常夫は本当の愛と勘違いしたのかも知れない、障害者への好奇心を。厳しい事言いますが、それが現実!
最後の2人の旅行では、常夫は忘れられない思い出の様な語り口で回想していましたが、実際は何週間も前から楽しみにして準備していたジョゼに比べ、常夫の心がだんだんと離れて行ってるのが見え隠れします。
はしゃぐジョゼ。「運転中」と素っ気ない常夫。
実家への足取りが重い常夫。自分から行き先を変更したジョゼ。
海のラブホテルでのジョゼの言葉。寝てしまう常夫。
きっとジョゼは常夫が離れて行くのが分かっていたのだと思います。
サガンの小説のように...

やがて別れを迎える2人。
元カノの元に戻る常夫。ジョゼを見切ってしまった自分に号泣する常夫ですが、そもそもそこから見当違い。自分が面倒を見てあげなくては、と勘違いしてる時点で男ってやつは!ってなります😤

ジョゼの方が数段強いよ。
颯爽と電動車椅子で町を駆け抜けるジョゼ。
女性には生き抜く力があります。

同じ目線で、常夫がジョゼを見てくれていたら...
きっとハッピーエンドになったはず
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