シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

シマロンのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

シマロン(1931年製作の映画)
3.7
第四回アカデミー賞作品賞。
独立不羈の西部の男、ヤンシー・クラバットは、銃の腕がめっぽう立ち、弁舌爽やか、交遊関係の広い新聞記者にして、黒人・インディアン・ユダヤ人・娼婦などのマイノリティを擁護する信念の人、とやや属性盛り込み気味なアメリカン・スーパー・ヒーロー。
彼がたった二時間の尺で、西部劇お得意の悪漢・銀行強盗退治、迫害される娼婦弁護の法廷劇(ここが一番泣けた)、信念の知事選と新聞記者魂を見せる進歩的論陣など、八面六臂の活躍をこなし、妻や町の人びとに生ける西部の開拓史として記憶に刻まれていく。
時代が時代だけに、優れた個人が超人的な活躍をするのも違和感がないというのもある。牧師、弁護士、保安官などの職業はあれど、足りなければ代役に立つ事に違和感のない、自助の世界が西部開拓時代なのだから。
でも連絡も入れず、何年、何十年も家を空けるのは酷すぎるだろ(笑)
というわけで、家庭人としては最悪だが、西部の開拓史=アメリカそのものの歴史を一身に体言した人物としての西部の男の生きざまを皆さんも是非楽しんでください。
作品賞は妥当かと。