めかぽしや

フリーダのめかぽしやのレビュー・感想・評価

フリーダ(2002年製作の映画)
4.0
フリーダ・カーロの絵はシュールで見るとトラウマになりそうな作品。
なぜフリーダはそのような作風になったのか?
本作は彼女の数奇な人生を描いている。

1925年のメキシコ。
フリーダ・カーロは学生の頃に乗っていたバスが路面電車と衝突するという大事故に合い、九死に一生を得た状態で発見された。
コルセットや牽引で固定され孤独と寂しさを紛らわせるために出会ったのが絵を描く事だった。

ようやく自力で動けるようになったフリーダは自分の作品を見せに当時有名であった壁画家のディエゴ・リベラを訪ねた。
そこはフリーダとリベラが惹かれあった瞬間だった。
親子ほどの年齢差やリベラの女癖の悪さを承知でフリーダはリベラと結婚する。

当然のことながらリベラは浮気をするのだけれども
“ただのセックスだ。握手より心がない。”
と悪びれもなく言い放つ。
フリーダも浮気には目をつむるが後半でリベラは酷い裏切りをする。
フリーダもフリーダで恋多き人生で男女構わず情事をたのしんでいたので普通の夫婦関係とはだいぶかけ離れていた。


自分の怒りを絵にぶつけ、
リベラの裏切りにも立ち向かい、
強い意思や志を持つ美しい女性に共鳴した。

舞台の色彩豊かなメキシコやフリーダの着る民族衣装や装飾品は画面に花を添え、
要所、要所でフリーダの絵がはめ込まれてとても印象的だった。
メキシコ革命の背景に共産主義を掲げつつリベラの姿も心に残る。
フリーダの絵はラテンアメリカのアーティストで初めてルーブル美術館に飾られ、
“ヨーロッパでシュルレアリストについて定義しようとしていることを、君はすでに実践している”
と協賛された。


酷い裏切りをしたリベラは一度はフリーダと離婚をしたもののまたフリーダと再婚している。
2人の行動は並外れていたけれど愛しあっていたのであろう。
晩年、“私の身体はつぎはぎだらけ”と言うように
フリーダは後遺症の痛みや足の壊疽による切断に苦しむ。
リベラはフリーダにずっと寄り添い支えていた。
そう、彼らはお互いを必要としていた。


フリーダと彼女の絵が益々好きになる作品。
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