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モンキーボーンの一人旅のレビュー・感想・評価

モンキーボーン(2001年製作の映画)
4.0
ヘンリー・セリック監督作。

交通事故をきっかけに悪夢の世界に入り込んでしまったアニメーターの奇妙な冒険を描いたファンタジー。

カナダのコミック作家:Kaja Blackleyによる1995年発表のグラフィックノベル「Dark Town」を、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(93)のヘンリー・セリックが自身の持ち味を活かして映像化したファンタジーアドベンチャーの隠れた佳作。

自動車事故で昏睡状態に陥り、死神“デス”が支配する悪夢の世界を彷徨うこととなった売れっ子アニメーターの主人公:ステュが、現実世界で昏睡中の自分の体を乗っ取ろうとする悪い連中を相手に攻防を繰り広げていく様子を描いたファンタジーで、主演はブレンダン・フレイザー、彼のフィアンセをブリジット・フォンダ、悪夢世界の支配者をウーピー・ゴールドバーグが演じています。

特筆すべきはヘンリー・セリックが創り出す悪夢の世界「ダークタウン」のファンタジックな世界観で、“闇のトゥーンタウン”的な幻想的な街並み&怪しげなムードと、特殊メイク&着ぐるみ&CG&ストップモーションアニメを上手に使い分けて表現した異世界住人の個性豊かな造形&美術がファンタジー感100%の出来栄えとなっています。

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や『ジャイアント・ピーチ』で腕を磨いたヘンリー・セリック監督が誇るコマ撮りテクニックが実写と融合したイマジネーション溢れる一篇で、ジョン・タートゥーロが声を担当した“モンキーボーン”の変態的な誕生エピソードはなかなかパンチが利いています。
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