みかんぼうや

エイリアン2のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

エイリアン2(1986年製作の映画)
3.8
【緊張感溢れる伝説的SFホラーから、思った以上にエンタメ性抜群のSFアクションへ振り切っていた異星人との闘い第二章】

先日観た「エイリアン1」が想像以上に面白く、ユーネクスト配信終了前に駆け込みで2も鑑賞。面白かった!あっという間の140分弱。内容的には「エイリアン1」を観る前に先入観として持っていた異星人の大群に立ち向かう人間たち、という構図で、本来はこの手のSF戦争アクション的なドンパチ物はあまり好きではないのですが(SFヒューマンドラマは好きですが)、1でしっかり作られた世界観の中で展開されたアクションだからか、序盤から一気にのめり込み、最後まで抵抗感なくすんなり観られました。ただ、「ターミネーター」シリーズと同じく、個人的にはやっぱり1のほうが好みかな。

前半は1の“一瞬先は死”を思わせる緊張感をしっかり引き継いでいて、1に全く引けをとらない正統派続編としての没入感と面白さを感じていたのですが、後半は思っていた以上にエンタメ性の強いSFアクションに振り切っていて、特に終盤のリプリーがボス的なエイリアンに対峙していく様子は、1の全貌が見えない異星人の恐怖とは全く対照的な作品になっていて(特にラストは、日本のアニメのロボット対怪獣のような様相を呈していて)、その振り切り方に清々しさを感じつつ思わず声を出して笑ってしまいました。

映像美術はさすが、映画界で次々と映像技術の変革を起こしてきたジェームズ・キャメロン、というだけあって、1986年の作品とは思えぬ、派手さと激しさ。大量のエイリアンの造形も1に比べて圧倒的にパワーアップ。無数に襲い来るエイリアンをマシンガンを撃ち込みバチバチに飛び散るシーンはアクションとしては見応えあり。ですが、個人的にはやはり、派手なアクション性よりも、徐々に迫りくる“見えない一体”に追い詰められるホラー感のほうが、死の重みとパニック感を強く感じ、興奮させられました。

一方で、偉大なる1の続編を別監督が担当するとなると、二番煎じとして前作に飲み込まれないように、これくらい色合いを変えることはどうしても必要だったのかもしれませんね。

しかし、ジェームズ・キャメロンは母性を持ち合わせた強い女性像と一緒に冒険する子ども、という構造が好きですね。1から2のリプリーの成長とニュートの存在は、完全にターミネーターシリーズのサラ・コナーの戦士としての成長とジョン・コナーの存在を思わせるものでした。

大好きな監督の一人であるデヴィッド・フィンチャーが監督を務めた3は評判が分かれるものの、しっかり観ようと思っていましたが、残念ながらユーネクストで1、2とともに配信終了でしばらくお預け。またしばらくして配信が再開されることを願っています。が、この1か月でなかなか手が出せなかったジャンルの伝説的作品の1、2をじっくり堪能させていただきました。フィルマコメントで本シリーズをお薦めしてくださったさりさりさんをはじめ、皆さま、ありがとうございました!
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