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エイリアン2のrollinのレビュー・感想・評価

エイリアン2(1986年製作の映画)
4.5

A L I E N S

帝国の逆襲である。
そして帝国とは当然Galactic Empireではなくコーマン帝国。
かつてダン・オバノンの脚本に真っ先に興味を示しつつ契約を結び損ねたロジャー・コーマンが、続編製作の噂を聞きつけ、ここぞとばかりに送り込んだ弟子こそがそう、ジムなのでやんす(※事実無根です)。

個人的に1作目を越えることは永遠にないけど、アメリカ的ビッグマック発想によるこのマクドエイリアンは完全なる祭りであり、『ポルターガイスト2』に足止めを食らっていたギーガーやシド・ミードさえも差し置いてあらゆるコンセプトデザインを手掛けようとしたジムのコーマン精神と才能に裏打ちされた本作のはっちゃけっぷりはSFアクションのスタンダード。
コーマンならぬゴーマン中尉のブリーフィングシーンは初めて“ゼノモーフ”という呼称が使用された記念すべき瞬間!

1作目の厳かさは何だったのかとばかりに、銃弾もウォーリアーも大量消費の大量虐殺。パワーローダーやクイーン等、デカい方が勝つ!の鷹村イズムを踏襲しつつ、本作一番の魅力はやはりSF映画屈指の名銃器の数々!
そもそもアクション重視の撮影で頭部のフードを排除されたウォーリアー。あたいは勿論大好きやけど、同時に頭部の魔羅感が失われてしまったのもまた事実。しかし本作ではそれを補って余りある程の最高の銃器が登場し、エイリアン史上最高の男根祭りが繰り広げられるのでやんす。
実在のトンプソンやレミントン870をサンプリングして作られたM41Aパルスライフルや、完全版でウォーリアーの半数を虐殺するセントリシステムと同様のMG42をベースに作られた長竿M56スマートガンの勇姿が観られるだけでお腹いっぱい。

戦慄病棟の実況中継の様な第一次アチェロン居住者捜索のワチャワチャ感や、良かれと思って携行してるモーショントラッカーが引き起こす認知的不協和など、魅惑のガジェットやエポックメイキングな演出に溢れた名作。前作から続投するSFXの巨人ブライアン・ジョンソンとスタン・ウィンストンの仕事も素晴らしい。

そして一方のシガニー・ウィーバーは、ニール・ブロムカンプの夢を見続ける眼差しに当時のジェームズ・キャメロンの姿を重ね合わせているのかもしれまへん。
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