もう20回は観たでしょうか。
私にとってとても大切な、思い出深い映画です。
強烈に惹かれ合い、テレパシーのように分かり合う二人。
悲しい誤解。
相手を想うが故に身を引く二人。
"Junsei is everything to me. " と言って今の彼と別れるにもかかわらず、その想いを順正に告げないアオイ。
10年前の約束。
再会。
ぎこちない二人。
再びの別れ。
そして、あのラスト。
ネタバレ防止のためかなり端折りましたが、とにかく素敵なストーリーです。
美しいイタリアの映像、美しい音楽、美しいアオイの衣装も、素晴らしいです。
この映画を観て、イタリアに行きました。
でも、なんといってもこの作品をここまで昇華させたのは、ラストに一瞬だけ映る、順正のあのなんとも言えない、はにかんだ笑顔ではないでしょうか。
なんでしょう。
私は未だかつてあのような笑顔を、映画であれドラマであれ、ましてや現実世界でも、見たことがありません。
竹野内豊さんは、表情といい、声のトーンやアクセントの置きどころといい、本当に人柄が良い人なんだろうなと思います。
彼の素の人柄の良さが、演技にも滲み出ているかのようです。
誰しも、傑作かどうかというのとは全く別の意味で、自分にとって大切な作品というのがあると思うのですが、私にとってこの作品がそうです。
この作品を観ると、当時の自分や状況、もう戻れないあのときが思い出され、切なくなります。