むぅ

マイ・ガールのむぅのレビュー・感想・評価

マイ・ガール(1991年製作の映画)
3.8
「買う時、成分表見ないんスか?」


ここ最近ドキュメンタリーが続いていたので、今日はスカっとしたり明るい気持ちになる映画を観ようと思いながらの帰り道。
前を中学生2人が歩いていた。
手を繋ごうとするものの相手が全くそれに気付かず、伸ばした手が頭をかいたり、おしりのポッケにいったりする"行ったり来たり"の愛おしい約3分間。
"きゅん"が過ぎて悶絶。もうお願いだから私が家に着くまでには決着を!と思いながら、こちらとしてはほぼ尾行である。
何とか我が家の直前でミッションコンプリート。
拍手喝采だった。

[マゼンタがありません]
[イエローがありません]
いや印刷するの文字だけなんだけどなと思いつつ、いつの間にかなくなるよなーと思わされるプリンターの叫びの如く
[最近"きゅん"が足りません]
と、私の心が叫んだ。
インクに関しては振って誤魔化したりするが、ここは素直に従うことに。

やられた。
いや違う、やってしまった。

"きゅん"でしかなさそうなジャケ写だ!以外の理由なく選んだ今作。
まだ幼い2人の淡い恋と、瑞々しい感性に刻まれる"生と死"が描かれていた。
もちろん"きゅん"もあるのだが、甘酸っぱーい!と大騒ぎは出来ない。
11歳のベーダの、父へ、亡き母へ、祖母へ、幼馴染へ、学校の先生へ、そして父の恋人になる人への感情が優しく柔らかく揺れながらも等身大なのが心にくる。
大人が持つ強さとは違う、幼さの中にあるベーダの強さが魅力的だった。


白黒でもマゼンタは使うと教えてくれたバイトくんとの帰り道。
「"きゅん"に関しては"き"くらいは摂取出来た」
「マゼンタ振るのと大差ないっスね」
「いや"きゅん"以外に得るものあったから!いいの!でも次は純度100の"きゅん"を...!」
「買い物する時、成分表見ないタイプっスか?」
「...値段は見ます。アルコール濃度も見ます...」
「.....」
「....その視線でちょっと貯まった"きゅん"なくなったかも」
「自業自得っスよね?」


嗚呼、コミカルばかりが貯まっていく日々。
むぅ

むぅ