心温まる可愛らしい二人の物語はパッケージのイメージよりうんと重くて深いものだった。
思春期に差しかかった11歳の少女ヴェーダの淡い初恋と「死」を受け入れる迄の成長物語。
一見大人びたヴェーダと一見子供っぽい少年トーマスが沢山のエピソードを通して見え方が逆転してゆく感じがとても繊細な演技の中に感じ取れた。
大人の男性への恋心、父の再婚相手への複雑な感情、そしてぼんやりとした「死」に対する感覚は思春期真っ只中の少女の等身大の姿。
父親が葬儀屋を営む中で「死」は彼女にとって身近なものだったのかもしれない。
けれど自分が生まれる事と引き換えに失った母の死と重ね合わせる事のまた受け入れる事の難しさや辛さを思うと胸が締め付けられる。
名シーンと言われる二人の透明感溢れる甘酸っぱいキスシーンは心が洗われるようで思い出すだけで泣けてくる。
そしてマコーレ・カルキン君の純粋で初々しい少年の姿が観終わっても尚頭の中にくっきりと焼き付いて離れない。