昔は断然前作の方が好きだった。
前作主人公・平均(たいら ひとし)は本作の源等(みなもと ひとし)と同じく要領は良いもののどっかまだ正義感なところもあったので取っつきやすかったからだ。
ちょっと引くぐらい本作の源等の無責任ぶりは凄い。
もはや伝説レベルの自由ヶ丘駅前でのオープニングシーン、そしてそれに続くメチャクチャなシークエンスに一度馴れてしまうと、前作が少し物足りなくなってしまう感じがある。
ちなみにわたしの演芸マニアの先輩はこの時の植木等に感動し、思いきってあの緑のスーツを新調したという。一度その服を見せてもらったけど派手だったぞ~。
謎の人物・源等がひょんなことから楽器会社に潜り込み、専務派と常務派で社長の跡目争いが社内に吹き荒れる中、等は無責任ぶりを発揮してさらにひっ掻き回す始末(笑)
前作では脇役だった団令子がヒロインに昇格。そして石橋、安田、桜井のメンバーが完全なチョイ役に降格(?)して、メインのコメディリリーフは、植木、谷啓、ハナ肇、犬塚弘のメンバーに、人見明、由利徹の体制である。
あと谷啓のお母さん役の浦部粂子もちょっとした役なんだけど強烈だった。
車の誘導の際の「バックル、バックル、オーライ、オーライ、バックル……ストッピ!!」の掛け声の衝撃さはいまだに忘れられない。
ラストはまさに唖然とするようなオチが用意されているのだが、ひとつ観る前に条件がありまして前作「ニッポン無責任時代」を予習しておくことが必須です。
■映画 DATA==========================
監督:古澤憲吾
脚本:田波靖男/松木ひろし
製作:安達英三朗/森田信
音楽:宮川泰
撮影:飯村正
公開:1962年12月23日(日)