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スプリング・フィーバーのkyokoのレビュー・感想・評価

スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)
3.8
ロウ・イエ監督体験、2作目。
冒頭から激しい性描写に若干たじろいだ。
まだ肌寒い初春に現れる花と、初夏に肌に刻まれた花がどちらも蓮の花であるのはどんな意味が込められているんだろう。

誤解を恐れずに言えば、バイセクシャルって都合が良いよなあって思う。
ジャンの愛は一見ものすごく自分本意に見えるけど、結局振り回されているのはジャンのほうだ。

リー・ジンも同じ切なさを持っているはずだけど、どこか違った。この三角関係を絶望しているようにも楽しんでいるようにも見える。女、だからだろうか。

映画のモチーフとなっている「春風沈酔の夜」(郁達夫)を劇中恋人が朗読するシーンが印象的だった。行き場が定まらない人間がさまよう春の夜の情景が浮かびあがる。機会があれば読んでみたい。
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