個を蔑ろにする国だからこそ、自由を渇望するかのように、彼らは奔放に生きるのか。
ロウ・イエを数本観て、やっとしっくりくるものに出逢えた。あるいは私の見方が変わっただけなのかもしれないが。
郁達夫(ユイ・ダーフ)の詩を朗読する恋人たち、それが全てを物語っていた。
ロウ・イエ作品の激しい性描写って、爆竹のように一瞬劇的に轟いて消える、まさに人の一生のようで「生きたい」という叫びにも思える。孤独の中の生の希求。
儚く命が絶える人もいれば、死ぬことを許されないかのような人もいて、命を繋いでしまった傷跡は愛の証でもあるから、せめて偽りの花を咲かせ、蓮のように水面に身を委ねるということかな。