妹の瑞々しさを受けとめつつも、のっぺり淡々としているなあと思っていたが、突然現れる雨のシーン。そこから画面がグッと締まってくる。そして雨は熱に浮かされたかのような妖艶さを引き出してくる。そして映画の中心には闇。闇の中で聞こえてくる悲痛な声。その理由を伺い知ることはできない。そしてその存在を、忘れることはできないと思う。そしてまた画面は淡々さを取り戻していく。取り戻したかのように思えるのだけど…。最初の淡々としていたはずの情景は、表面はその姿を維持しつつも、もう同じものには戻れない。冷奴のことを思い返しつつ。
あと、根底にあるのは時計のチッチッチッと鳴り続ける音だなー。