[これからの物語]
Filmarksの中でもたった15人しか見てない作品と分かり、ツイッターなどで昔から推してた私としては是非とも応援したいと思い、iPhoneを握りました。
この作品は近未来(2000年頃から見て)の引きこもり少年が、インターネットをしながら様々な人と触れ合っていく物語です。
面白い構造としては、全編PC画面を見ている「主観」だけで描かれるため、鑑賞者は主人公の目線で近未来の人たちと話をしていく事となります。
最近では、『アンフレンデッド』や、少し前だと『ブラック・ハッカー』もこれと同じようにPC画面だけのスタイルでしたよね?
そのスタイルを1番最初にやったのがこの作品だったと記憶しています。
当時、幾度となく通っていたレンタル屋で何気なく借り、とても印象に残った作品でした。
当時のモヤモヤとした自分の気持ちとシンクロしたからだと思います。
引きこもり少年は、ずっと部屋の中で過ごしています。食事や衣類など何から何までネットで注文している様は、まさに今のAmazonに依存した人たちはドキっとする方もいるのでは無いでしょうか?
自分がとても良かったなあと思うのは、
彼が何を見つけ、どう葛藤し、どうするのか。
これをPCの画面だけで表現していた事です。
時折、真っ暗な画面にすらなる時もあります。
ですが、その真っ暗な画面に彼の気持ちが映っているように演出されていたと感じたのです。
昨今の「高解像度なインターネット時代」は、
PSVRなどのVR時代も幕を開け『トマ@トマ』の世界すらも超えた時代がやってきています。
もしかしたら、2000年に描かれたこの物語のような葛藤を抱えた人も多く生まれているかもしれません。
それでも、
本当に大事なものは、彼が葛藤したそこにあるんですよね。
あのラスト。
映画としては、すごくすごく小さなラストシーンかもしれないけれど、
私にはとてもとても大きく、本当に美しい
「始まり」
を描いた映画だと感じました。