みおこし

小人の饗宴のみおこしのレビュー・感想・評価

小人の饗宴(1970年製作の映画)
1.5
ヨーロッパ映画も勉強しなきゃ、ということでヴェルナー・ヘルツォーク作品を少しずつ。また新たなトラウマ映画が誕生してしまいました。

とある辺境にある小人たちの施設で、所長に対する反乱が勃発。小人たちは自分たちの気の向くままに破壊活動に身を投じていくが...。

正直、正気の沙汰とは思えない不可解かつ不愉快な映像の羅列に誰しも顔をしかめること間違いなしの一本です...!
出てくる登場人物はみんな小人症の方々。どういうわけかみんな揃いも揃って小動物をいじめたり、仲間同士で嘲り笑ったりと暴走の限りを尽くしてゆく。善人と呼べるべきキャラクターが1人も登場しない点でも異色の一本です。

映画表現って本当に無限だなとしみじみ思いましたが、音もなくただ風景だけをとらえた映像、ストーリーがなく断片的に何かをつなげただけの映像でさえも、作り手が何か意味を込めれば映画になるんだなと(笑)。ストーリーがあって、キャラがいて、演出があって...という映画しか知らない自分に気づけました。小人たちがひたすら弱いものいじめと内輪揉めをしているだけの映画、なんてシュールなんだと思いつつも、これも立派な映画なんですね。何が言いたいのかはさっぱりつかめなかったけど!!

でも弱者をいじめることで自分を守るという行為、人種や性別、地位問わずみんなやっていることですね。自分もいつの間にか同じことをしてるんじゃないかと、内省するきっかけを与えてくれる映画でもありました。
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