ピュンピュン丸

フレンジーのピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

フレンジー(1972年製作の映画)
4.0
ヒッチコック最後から2番目の作品。女性を狙った「連続ネクタイ殺人」が題材。カメラがロンドンを俯瞰しながらテムズ河に近づき、そのほとりに流れてきた死体に民衆が気付くところから、映画が始まる。この始まり方、そしてヒッチコックが例のごとくさりげなく映っているところも好きだ。
残虐なシーンは、1件めの殺害だけで、あとは無音と現場から少しずつカメラがひくことで、逆に観る人に想像させている。いかにもヒッチコックらしい手法だった。
題材は残虐なはずだが、被害者は裸体にネクタイ、舌がひん曲がっているなど、どこかユーモラスで、犯人の証拠隠滅に奮闘する姿も面白く描かれている。何を隠そう、私がこの映画で一番好きなのは、トラックの荷台でのラスクの奮闘するシーンなのだ。(^-^)
とはいえ、事件は、オックスフォード警部と奥様の食事中の会話の中で、紐解かれていく。現場でも、警察の対策本部の会議でもないところが面白い。
まあ、終始、ブレイニーは可哀想だったなあ。(T^T)