菅家しのぶ

フレンジーの菅家しのぶのレビュー・感想・評価

フレンジー(1972年製作の映画)
3.7
女性をネクタイで絞殺する「ネクタイ殺人」の犯人によって元妻を殺された男が、様々な偶然が重なって、事件の容疑者となってしまう。無実の人間が容疑者に仕立て上げられてしまうヒッチコックの王道パターン。ただ、本作はセンセーショナルなシーンが多く(女性がヌードになったり、服を引き裂かれたり、首を締めあげられたり)、他作品に比べて奥行きがない印象を受けた。とはいえ、元妻の死体が発見されるシーンや、ある男の部屋に入った後のシーンの非情なまでの長回しは流石。一ひねり加えたオチとスマートなラストカットも魅力的。