キミシマユウキ

フレンジーのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

フレンジー(1972年製作の映画)
3.8
【過去作簡単レビュー】
イギリスの街で起きる”連続ネクタイ絞殺事件”。犯人として怪しまれたのは元空軍の英雄リチャードで…・

ハリウッドで『鳥』以降凡作続きと言われていた巨匠ヒッチコック監督が、
久しぶりに故郷イギリスで撮影をしてその才能が健在だったことを証明した晩年の良作。

連続ネクタイ絞殺魔という設定も相変わらず変態的で良いし、巻き込まれる主人公も気の強いオラオラ系なので観ていて気持ちが良い。
脚本やサスペンス要素もいつも通り面白いのだが、演出が非常に際立っている気がした。
序盤イギリスの街並みから死体発見までの素晴らしい長回しは
「よっしゃ久々のイギリスだから気合入れてやるぜ!!」
っていうヒッチコックの決意とその技術力を見れるし、それ以降のカメラワークもかなり好み。さすがっす。
そして70年代になって規制が緩くなったのか、殺人シーンは妙にリアルでドキドキでございます。
あ、あと綺麗なおっぱいも出てきます。これ加点ですね。

このあと『ファミリープロット』が遺作となってしまうが、ファンとしてはもっと観たかったなぁ~