YAZ

どん底のYAZのレビュー・感想・評価

どん底(1936年製作の映画)
4.3
ジャン・ルノワールの観る

ロシア戯曲家ゴーリキー作
その日暮らしの木賃宿で暮らす
人達と新入りのギャンブルで身を
滅ぼした男爵

黒澤明版は救いのない文字通り
どん底だった記憶です
ルノワール版はそんな暮らしでも
気の持ちようで何とでもなるさという
楽天的な希望もアリでした
絶望もありますがこの時代のフランス
映画の一つの流れとされているペシミ
ズムは感じずです

ギャバン演じるコソ泥が絶望の男爵宅
に盗み入るが人生投げやりな男爵は
最後ぐらいは楽しもうと晩餐を
ギャバンと過ごす内に絶望通り越して
開き直ったかのように欲も棄てた男爵

ルイ・ジューヴェ良いですがこの境地
を掴むのは俗人には難しい
メインストリームからは外れてるけど
このドラマの一番の核のようでも
原作未読ですけどWikiであらすじ読む
と登場しないのでルノワールと脚本家
スパークが作ったキャラですかね

木賃宿の中で欲望に塗れた男と女の
ドラマが有り欲が強過ぎる者の行く末。
欲望が保身となり悪に転じるとダメだ
よねというのは今も昔も変わらずです

必ずしも幸福が待ってるとも思えない
けど抜け出そうとするギャバンと今の
暮らしを受け入れるジューヴェ
偶然が生んだ二人の男の物語のようで
もありますす
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