探していたフリッツ・ラングをアマプラで発見!
原作は英国人作家ジョフリー・ハウスホールドの「追われる男」
狩猟が趣味の英国の大佐がドイツの森の中で捕まった。偶然にもライフル銃の先にはヒトラーが居たから。
英国に侵攻する口実を見つけたいゲシュタポは、大佐が英国政府の命令でヒトラー暗殺を計画したという供述書にサインする様に強要し拷問するが…。
ヒトラー台頭後にドイツからアメリカに亡命したユダヤ人のフリッツ・ラングが監督。
白黒映像独特の影を上手く演出している。
逃げても逃げても執念で追いかけて来るゲシュタポの気味の悪さが伝わってくる。
船の中で助けてくれた少年の可愛らしさや、ロンドンで協力してくれた女性(ジョーン・ベネット)の天真爛漫さが良い味わいを出している。
ジョーン・ベネットはこの後フリッツ・ラングの作品にどんどん出ることになる。
どんなに拷問されても、追い詰められても常に余裕でゲシュタポから逃げる大佐がラストに取った行動は最高のエンターテイメント。
この作品を大戦真っ最中に作ってしまうアメリカ映画界の豪快さに拍手。
この後「死刑執行人もまた死す」「恐怖省」「外套と短剣」とナチスをテーマにした作品をフリッツ・ラングは発表していく。