mingo

どろ犬のmingoのレビュー・感想・評価

どろ犬(1964年製作の映画)
4.3
一昨年話題を掻っ攫ったニッポンノワールの大傑作。これ観ないとまじ損レベル。大木実が主演てだけで「えっ?張込みじゃん」てなるのに冒頭バーカウンターでの「たまにはアルコールで消毒しないと身がもたないのでね」(キリッ)ゲキシブすぎやろ!そんな本作はキャスティングが地味に凄い、井川比佐志と高橋昌也を部下に置きながらvs敵役で怪演やらしたら右腕に出るものおらん西村晃劇場開幕しちゃってて大傑作「おどし」の三國に激突する西村演技を想起させる。知恵おくれ田中邦衛の「にいさんの方が恋人っぽいですよ」には泣けるし、ヒロイン原知佐子とのたっぷり濡れ場がノワール映画の夜を一段と深める。「コロシを追え!」でも小高雄二のサポートじじいだったバイプレイヤー織田政雄の優しさも見どころ、「ちょうさん…」とだけ言い放った台詞に込められた想い切ねえ!!また佐藤勝のノワールにはジャジーな楽曲を当てがうのは定石と思いきやポップさと不協和音の緩急も素晴らしく任侠映画やプログラムピクチャを支えた飯村雅彦のキャメラも見事に呼応しており、ロケ地の板橋のガスタンク公園と井戸の演出も映画に華を添える。こうなってくると不遇の映画監督佐伯孚治の2本の監督作のうちのもう一本も益々気になってくる。助監督は降旗康男だけど網走シリーズや数々の任侠映画も降旗じゃなくて佐伯孚治に撮らせていたら歴史が変わっていたに違いない…映画内の劇場でかかってた梅次師匠の「犯罪作戦No.1」の田宮二郎がこっち観てたゾ
mingo

mingo