いの

友だちのうちはどこ?のいののレビュー・感想・評価

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)
5.0
友だちのノート返しに行く。たったそれだけの内容なのに(失礼)、どうしてこんなにドキドキするの?
山道は文字通りのジグザグ道。

いやぁ、この愛くるしさは反則級でしょ。もうこんなん観せられちゃっちゃ日には、自分の汚れ具合にホントごめんなさいねこんなオトナで、って懺悔するしかない。

この映画には子どもとオトナの根本が詰まってる。奇跡の1本。学校→家→なんとか村→家→なんとか村→家→学校。真面目で健気なアハマッド少年が可愛くて可愛くてもうたまらん。先生、ノートに宿題やってないくらいでそんなん怒らんとって!お母さん、アハマッドくんの話、ちゃんと聞いたって! 宿題宿題言うなら、宿題の妨害せんとって(家事手伝いしてほしい事情は理解するけども)! おじいさん、殴られた過去自慢しないで! でも夜、お母さんのかすかな優しさには少しほっとしました。

この映画には、貧困、ゆとりのない保護者の現状、子どもの家事労働の負担、てんこ盛りの宿題等々、いろんな問題がなにげに提示されている。でも心をぎゅーっとつかまれるのは、アハマッドくんの愛くるしさとまっすぐさとまっとうさがあるから。がんばれ少年! そしてこの少年をみつめる監督の視線の優しさが、映画ににじみでていると感じるから。これはイランの全オトナに観ていただきたい(それとも大評判で、既にそうなっているのかも)。んにゃ。これは世界中の全オトナに観てほしい映画だ。今頃になって初観賞してるアタシが偉そうに言ってすまぬ。わたしちゃんとしたオトナになるよ。オチもナイス。
いの

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