私はイランの歴史や文化、情勢に詳しくないけど、可愛らしい主人公の大冒険を応援する気持ちよりも、それを取り巻く世界に対する違和感を強く持ち、モヤモヤしてしまった。
大人たちが子どもに厳しくて、子どもを尊重していない。彼らだって昔は子どもだったのに。それ故に子どもたちは愛らしいけれども萎縮している。
女の子は登場すらしないし、大人も子どもも「ありがとう」という言葉を使わないのは、悲しい気がした。
この映画が作られてから約30年、良き方向に向かうことが出来ず、昨年衝撃を受けた「少女は夜明けに夢を見る」のような社会になってしまったのか……
これはイランだけでなく、日本も含めこの世界のあらゆる国でどこかしらに(往々にして弱者)何かしらの形で歪みとなって現れていて、そこにスポットを当てるかどうかの違いなのだろうけど……