柳

映画ドラえもん のび太の恐竜2006の柳のレビュー・感想・評価

4.1
当時、この作品が『ドラえもん』を映画館で見た最初の作品でした。4歳だったのであまり記憶にありませんが、おそらく純粋に『映画ドラえもん』として楽しんでいたと思います。

この映画を再び鑑賞したのはアプリ「ドラえもんチャンネル」にて映画全作品見放題サービスがはじまったときでした。大人になって見返してみるとのび太のピー助への思いとかドラえもんの裏からのび太を見守る優しさとか、色んな感情的な部分が見て取れました。『ドラえもん』の人気な要素として未来のひみつ道具が現代にあることで起きるどたばたコメディというところだと思います。でもこの作品はひみつ道具がメインとはならない、のび太の一つの成長物語です。これが映画でしか味わえない『ドラえもん』であり大人にも幅広く響く理由だと感じます。

おそらく制作は相当本気を入れたのだと思います。「わさドラ」版になって初めての映画ですから、当時声優交代による批判が多かった中、リメイク一発目の映画が不評だった暁には『ドラえもん』はおそらくここで終わってしまっていたでしょう。そんなプレッシャーの中でも『ドラえもん』らしさを忘れずに、だけどその奥には1980年代の子供たちに伝えられる何かをしっかり残して下さったと思います。

この作品を基準としてまだまだ成長を遂げる『映画ドラえもん』。今もなお放送し続ける人気の根強さがこの作品にはあると感じます。
柳