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タイフーン TYPHOONのkotchanのレビュー・感想・評価

タイフーン TYPHOON(2005年製作の映画)
3.0
非常に余計なお世話なんですが、タイトルはもうちょっと何とかならなかったものかね?
こんなタイトルなので(失礼)どうにも食指が動かなかったのですが、勇気を持って(そんな大袈裟じゃない)借りてみました^_^

家族を殺された過去を持つ海賊のシン(チャン・ドンゴン)。テロによる復讐を企て、生き別れた姉との再会を夢見る。シンのテロを阻止すべく海軍将校カン・セジョン(イ・ジョンジェ)が極秘捜査官として派遣される。

なんでも韓国映画史上最大の製作費150億ウォン(≒15億円)を超える大作なんだとか。(『ブラザーフッド』は200億ウォンを超えていたような…)
韓国国内では大ヒットもしたそうですが、正直に申し上げるとその巨額の製作費を一体どこにつぎ込んだのだろう?という疑問が残ってしまうスケール感でした(^_^;)
朝鮮半島の南北分断の悲劇や脱北に失敗した家族の悲惨な末路などは韓国ではヒットの要因にもなる鉄板の題材なのだろうし、それを扱った作品も多いのですが、僕には馴染みが薄く勉強不足もあって、表面的な歴史の知識だけではうまく感情移入できず、今作を深く理解しきれなかったように感じます。
ただその一方で、派手すぎないアクション(褒めてます!)と骨太な人間ドラマを描いた今作はエンタメ性もそこそこ高く、娯楽作品としては全く楽しめなかったわけではないんですよね。
なんか言い訳っぽいけども(;´д`)ゴメンナサイ


【濃厚ソース顔 vs あっさり塩顔】
2種類のオットコ前を味わえる贅沢な作品

こってり濃いめのチャン・ドンゴンの海賊もかなりそれっぼい(^.^) 海賊といってもルフィやジャック・スパロウなんかをイメージされると困っちゃうのだけど、残忍でタフネスで野蛮な雰囲気がとてもいい。復讐に燃える真っ赤な炎の野生的なオットコ前‼︎
生き別れた姉との20年ぶりの再会は"泣かせ"の場面とわかりながらも思わずもらい泣きしてしまった自分が本当に不甲斐ないっス 笑。でもやっぱりチャン・ドンゴンは"泣き"の芝居が上手いなぁと改めて実感させられたし、薄幸なお姉さんの語りも見事で、日本で製作するなら木村多江さん確定です♪

そんなソース顔を追うあっさり塩顔イ・ジョンジェは、国家に忠誠を誓い使命に燃える青い炎の愚直なオットコ前‼︎
海軍将校らしく肉体もしっかり仕上げ(上半身裸のサービスショット有り)、海軍の制服姿はキリッと、極秘任務に当たる際のスーツ姿はパリッと、どちらも凛々しくキマってます。拳銃の構え方もなかなか様になっていて力強く、ややリキみ過ぎかなとは思ったけれど却ってそれが場の緊張感を高めている粋な演出も効果的。
車中で2人が会話をする場面では、ソース→塩→ソース→塩の切り替え対比構図が僕的には妙にツボってしまいお気に入りなんすよね(´∀`*)エヘッ

他の泣かせ演出でもウルっとさせられながらもあまり捻りの無いストーリーは、最後の舞台となる貨物船船内での壮絶バトルで今ひとつ盛り上がらず、最大の見せ場でもあるチャン・ドンゴンとイ・ジョンジェとのタイマンではあろうことか飽きが来てしまい、僕としては悔しいやら惜しいやら複雑な気分でジ・エンド!
何だかよくわからないチープなテロ計画とか、真っ黒で「いま何やってんの?」的な夜の映像とか、CGも「はい、CGです!」ってくらいの粗め具合とか、不満な点は割と多めです。

僕はいまいちノレなかったのですが、チャン・ドンゴンやイ・ジョンジェのファンであれば観て損はないかなぁ。
かと言って得もそんなにないかなぁ。
おいおい( ;´Д`)ドッチダヨ!!
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