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TOMORROW 明日のBaadのレビュー・感想・評価

TOMORROW 明日(1988年製作の映画)
4.3
長崎に原爆が落とされる前24時間の出来事を時系列に描いた群像劇。

後に作られる黒木監督の戦争物と違い、中産階級以上の、ではなく、ごく普通の庶民の日常を細やかに綴っています。ロケ地は長崎、佐世保、鎌倉ということで、戦時下と言う条件を外せば、昭和40年ぐらいまでは日本のどこでも見られたような日常が描かれています。

戦争や原爆の残酷さ以上に、「なぜ、人は平凡な日常を細やかにつつましく送って行くことだけでは満足できないのだろう?」という疑問が浮かんでくる映画でした。それだけでは満足できない、ということの延長線上に、戦争や原爆があるような気がします。

反戦、という部分よりも、描かれている日常の描写の懐かしさ、愛おしさの方により心を惹かれました。

(The sweet hereafter 2008/8/19記)
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