けーはち

痴人の愛のけーはちのレビュー・感想・評価

痴人の愛(1967年製作の映画)
3.3
原作は言わずと知れた、谷崎潤一郎の耽美文学。1967年大映の映画化では、舞台が現代(公開当時)風になっている。30男が若い少女ナオミを拾ってイイ女に育てて結婚したら滅茶苦茶に振り回される!

★グラマラスというよりは、手足はすらりとして中性的な安田道代のナオミはまさに戦後を象徴する魔性の女。30男の河合譲治を演じる小沢昭一は彼女を愛し過ぎて心をやられる「痴人」の気に満ち満ちている。いや、男って馬鹿だねぇ〜。河合がナオミの写真つきの観察日記を作り、彼女の成長を克明に記録しているのも象徴的である。

★若かりし頃の田村正和も出てくる。育ちの良い坊ちゃん然とした甘いマスク。魔性の女ナオミに初恋をしてしまい、呆然とした演技は、好感。

★ナオミは河合と別れた後で、色々あり結局元のさやに収まるんだが、今風にいうメリーバッドエンドというヤツ。ドMがドSを育ててしまい共依存関係のまま破滅へ直行。ある意味美しい流れ。昭和文豪最強クラスのエロ文学の筆致を再現する良作。