幕のリア

痴人の愛の幕のリアのレビュー・感想・評価

痴人の愛(1967年製作の映画)
2.8
オープニングの工場のカット。
物語のイントロダクションからタイトルクレジット、そしてナオミの日記とフォトグラフ。
流石の増村節でカッコイイったらない。

「ツィゴイネルワイゼン」で強烈に刷り込まれた大楠道代の妖しさ。
安田道代時代の若々しく健康的な肉体と天真爛漫な表情から、画面越しにエネルギーがムンムンと伝わってくる。

まだ癖のない面白みもない力強さもない半端な優男に過ぎない田村正和の端役も見応えあり。
ラビット関根ぽさあり可愛らしい。
木村一八にも似ているな。

小沢昭一。
喜劇役者としてソツない演技を見せるのだが…
「顔じゃない」
相撲界の隠語で分不相応という意味だ。
大映の主役を張るには、顔面偏差値が低過ぎる。
俺が見たいのはあんたじゃないし、コントじゃない。

原作が悪いのか脚本が悪いのか話に深みが無く、いかに増村と言えど、作品にうねりもドライブ感も産まれることなく単調。

本作の反省が、
「セックスチェック第二の性」

「盲獣」
に繋がったように思えてならない。

〜〜

魂のこもった行き過ぎたDVシーンはプロレスかのよう。

予告編に流れる大映レコードの宣伝が好調期をうかがわさせる。
幕のリア

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