真っ黒こげ太郎

ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたりの真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

※今回割と最後の方までネタバレしちゃってます。
未見の人は最後まで見てから読んでくだせぇ。 ごめんね。

「”死”を負かしてやろう!!!」
「この偉業を達成すれば、有名になれるし永遠に生きられる!!!」

…アンタ、倫理って言葉知ってるか!?w



ニューイングランドの大学病院で医学を学ぶエリート学生のダン・ケイン。
ダンは学長の娘であるメイガンと突き合い、幸せなキャンパスライフを送っていた。
ある日、スイスからやってきた新人研修生のハーバート・ウェストがダンの家にホームステイする事になった。

しかしハーバートは講師の理論を「古臭い!」とディスったり、講義中に鉛筆を折って邪魔したりする。
挙句ハーバートの部屋の冷蔵庫の中に飼い猫の死体が発見される!!
そしてその夜、彼は猫に死体を蘇生させる怪しい血清を打ち、猫を蘇生させる!!(当然、凶暴なゾンビとして。w)

目の前で生命を蘇生させるのを見たケインは大興奮し、こっそりハーバートの研究に協力することになるのだが、その所為でとんでもない事態に…。



マッドサイエンティストの医大生が死体を蘇生させ、大騒動に発展してゆくスプラッター・ホラー。
ラヴクラフト氏の小説「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」の映画化作品…らしい。(よう知らんけど。)

監督はスチュアート・ゴードンさん。今作を初め様々なホラー映画を手掛けていましたが、今年の3月24日に亡くなったそうです…。
ご冥福をお祈りします。 


さて、今作はとある医大生が死人を蘇らせる、所謂マッドサイエンティスト物。
イカレ科学者が実験を重ね、その所為でおっかねぇ自体になっていくという内容なんだが…。
今作はとにかく、イカレ科学者のハーバート・ウェストが狂いすぎ!!!!

兎に角前半から態度が悪いハーバート。
そもそも冒頭でオッサンをゾンビ化させて「生き返らせたんだ!」と叫んでましたからね。(この時点で警察行きだろ。)

その後も握手はしないわ、先生に暴言を吐くわ、オマケに飼い猫を(多分殺して)冷蔵庫に入れ皆に怒られても「勝手に部屋入んな!」「忙しかったんだ!」と逆ギレ。
更に猫の死体を蘇生実験の材料にしちゃう!!!
ヒロインはハーバートの変態行為にビビり、学長のオッサンもケインに「あんな奴と関わんな!」と叫びます。

…ヒロインと学長に激しく同意します。w

しかしハーバートの暴走は止まらず、遂に人間の死体に怪しい薬をぶち込み、凶暴なゾンビとして蘇生させてしまう。

…医学史に名を残す前に、犯罪史に名を残すことになると思うんですがそれは…。

おまけに学長がそのゾンビに襲われ殺され、学長を「新鮮な死体だ!」として薬をぶち込み蘇生!!!
挙句その騒動を全部学長の所為にしちゃうのだった。


…完全にクソ野郎じゃねぇか!w
ってか、やってることがキチガイすぎて全く感情移入出来ないんですが。

全く、よくここまでサイコパスの異常者を描けた物です。
(原作本は未見だが、原作もこんな感じのキチガイなのか?w)
一応彼も学生の設定なのですが、演じたジェフリー・コムズさんの迫真の演技も相まって完全にマッドサイエンティストにしか見えません。

そしてよくこんなイカレ野郎の実験に付き合えるなケイン君!!!
恋人の父親が死んだりしたのに、結局最後まで実験に付き合っちゃうんですよね…。
まぁ深入りしすぎて共犯者になってしまったというのもあるかもしれんが…でもさぁ…。
(良心が残ってるなら、素直に警察に自首すれば良かったのに…。)
でもケイン君もラストではとんでもないことをしでかす辺り、段々とイカレ科学者に思考が寄ってしまったのかもしれない…。

そんなハーバート・アミバ・ウエストも後半、ある変態教授に利用されちゃいそうになるんですが、そいつをサクッとぶっ殺し(!?)、思い付きで(!!??)蘇生。
その後、蘇った変態教授は薬を奪ってとんでもない大惨劇を繰り広げるのですが、どう考えても思い付きで生き返らせなかったらあんな大惨事にはならんかったよね。
変態ストーカー丸出しな教授も対外だが、そもそも全ては思い付きで軽々と死人を生き返らせまくるハーバートの所為です。w



って、何か乏してるような文章になっちゃいましたが、今作、良い感じにグロとバカの連続で面白かったです。w
(実は本作は2度目の鑑賞になるのだが、あんま覚えてなかった。w
でも少なくとも今回の鑑賞は、最初に見た時より楽しかったと思うぞ!w)

死体生き返らせてあちこちでてんやわんやの騒動に発展させるアミバ野郎(笑)のお陰で、最初から最後まで騒がしくて飽きない。
更に後半には生き返ったゾンビまでもが大騒動を起こし、てんやわんやの血みどろ騒ぎになってゆくのが楽しい!w

あちらこちらで顔を出すグロ描写も悪趣味が極まっていて良い。w
またグロの中にブラックなジョークも良い塩梅で組み込まれている。

頭を無くして上手く動けないゾンビ。
首ちょうちんゾンビのザルすぎる輸血。
死んでも変態ストーカーな首ちょうちんゾンビ。
ヒロインを舐めまわす首ちょうちんゾンビ。www
首ちょうちんゾンビの頭を握り潰す学長ゾンビ。www
唐突にゾンビの腹が割れ、中から内臓が出てきてアミバ野郎をぐるぐる巻き!!wwww

と言った感じでコメディ演出も相まって、オーバーなグロ描写も最後まで楽しく観れます。w

ゾンビはあんまり出ないが、終盤にはヤケクソ気味に大量登場するので安心。
人肉は食わないが、あちこちで残酷な描写が連続するのでグロ的には満足できる…はず。w


そんなこんなで、グロにバカに、おまけにイカレ狂人まで楽しめる、結構愉快で楽しい80年代ホラーでした。
グログロスプラッター映画好きには、是非ともオススメ。

そういえば今作はシリーズ化してるのだが、続編2つはどうなってるんだろう。
今度観てみるか!w(何故か2作目だけ近所のお店に置いてなかったが。)