「あの時の夢を今度は俺に託せ。俺に賭けろ」
汗はない。
涙もない。
でもプライドがある。
1988カルガリーオリンピックといえば、スピードスケート黒岩彰の銅メダルを思い出す。プレッシャーを克服してのメダル獲得に、胸が熱くなった。
前回大会のサラエボで金メダル確実といわれながら惨敗した黒岩選手。あのころは日本人は大舞台に弱いとされていて、彼に限らず大本命が檜舞台でやたらとコケた。
あの当時は、日本人全体としてプライドが希薄だったように感じる。ネガティブなテレビ報道を通じて、国民全体が集団で「失敗すること」を信じ込まされていたようにすら思う。
最近の日本人アスリートのメンタルは強い。いつのころからだろうか。
きっと、一選手として、自分自身にプライドを持って「その瞬間」を楽しめるようになったからだろう。
この映画のジャマイカチームは4人揃って、明るく、前向きで、いつも笑顔を絶やさない。スポーツすることの楽しさと喜びを教えてくれる。
「プライド! パワー! 誰の屈辱も許さない強い男」