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アンドロメダ…のtjZeroのネタバレレビュー・内容・結末

アンドロメダ…(1971年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ニューメキシコの小さな村の近くに、人工衛星が不時着。
宇宙生命体による感染で、ひとりの赤ちゃんと老人を残して村は全滅。
ネヴァダ砂漠の地下深くに設けられた研究所にて、科学者たちと地球を滅ぼしかねない生命体との攻防戦が始まる…。

SFモノって、①ベースとなる科学的リアリティ、と、②イマジネーションの広げ方、とのバランスが肝心だと思う。

本作は、『ER』や『ジュラシック・パーク』でおなじみのマイケル・クライトン原作だけあって、①の部分がしっかりしている。

地下施設の5層に分かれた滅菌システムとか、分析や研究の手段など、真に迫っており、大人の鑑賞に堪える科学映画になっている。

中盤は地味な実験や解剖シーンが続き、教育番組を見せられているようで退屈にはなりかかる。

ただ後半は、この生命体が対ロシアとの細菌戦で応用できるように米軍部が宇宙から採取してきた…という国家陰謀的なサプライズもあるし、細菌を撲滅する方法が地球を人体に見立てて免疫力を利用する…という、医学博士号を持つクライトンらしい説得力のある大ボラ吹きぶりなので、②の部分でも満足感が高くなる。

本作の原作発表時でもすでにベストセラー作家であったクライトンだけど、本来持っていた①に加えて、②のエンタメ的爆発力を促進した『ジュラシック~』などで、さらにメガヒット・ライターへと成長していく様子をふり返ることもできた。
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