まこ

エレファントのまこのレビュー・感想・評価

エレファント(2003年製作の映画)
3.8
1994年、
アメリカ・コロラド州
コロンバインで起こった銃乱射事件を
モチーフに描かれた本作。

同じ高校に通う2人の少年が
ある日銃を片手に高校に乱入。
銃を乱射して数十名を死傷させる。
彼を狂気に走らせたのはなんだったのか。
事件が起こり惨劇が始まったあたりまでの
彼らの日常が描かれる。

実際に起こったこと、だと思うと
本当に恐ろしい内容なのだが、
ひたすらに淡々と、静かな風景、サウンド、
明るく美しい映像でみせてくるため
サスペンスやスリラーだと
思う雰囲気が全くない。
逆にそれがストーリーが進み、
ひとりひとりにスポットが浴びていくたびに
じわじわと、まるで布が絵の具で
染まっていくかのように
恐ろしさがやってくる。
まさに今も、
どこか近くで起こるのではないかという
日常に潜む恐怖。
「こうなんだ!」「こう思うだろ?」
「これが真実なんだ!」
みたいなメッセージ性はない。
ただただ、みせるリアル。
これに尽きる。

なお、本作の凄いところは
プロの役者は大人役の3名で
主人公を含む高校生役の子たちは全て
オーディションで選ばれた素人の子たち。
大まかな台本しかなく、
その場の雰囲気を重視に撮られたという
撮影方法も凄い。
だからこそのリアルなのかもしれない。
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