めしいらず

エレファントのめしいらずのレビュー・感想・評価

エレファント(2003年製作の映画)
3.7
1999年のコロンバイン高校銃乱射事件を題材にした傑作。大勢の視点を通してその日を、その時を、感情移入せず冷徹なタッチで描いている。台詞は全てアドリブ。校内で交わされるごくありふれた会話やただ廊下を歩く後ろ姿などが延々と映し出される。多視点なので何度か同じ場面に遭遇もする。それは普通の映画ならまず描かれないもので、徹頭徹尾、物語っぽさがない。これは現実だ。彼らが経験したその日のそのままを、彼らの真後ろから見ているような感覚。いじめ苦が動機の犯人に最初に殺されるのが、同じくいじめに遭っていた女の子だった皮肉がキツい。
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