天豆てんまめ

バトル・ロワイアル II〜鎮魂歌(レクイエム)〜の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

1.7
撮影時に亡くなった深作欣二監督の遺作となったが、事実上、息子さんの深作健太監督が完成させた作品。その壮絶な継承を考えると、酷評し難いのだが、やはり「1」とは似ても似つかない大味な作品となってしまった。脳裏に浮かぶのは、そっちに行ったんだという期待違いのストーリー展開と、竹内力のやり過ぎコメディ怪演だ。

「今度は戦争だ」というキャッチフレーズは、「エイリアン2」を意識したのだろうか。「エイリアン2」は「1」の完成されたリドリー・スコットの美学を新しい形にぶち破るために、バトル色を強めたジェームズ・キャメロンの矜持だったのだが、この「バトルロワイヤル2」はそのアクションのカタルシスは感じられず、単に「1」にはあった命の儚さ、青春の切なさ、狂気の恐ろしさが失われてしまっていた。

でも、深作健太監督の父親への鎮魂歌というべきこの作品には、明らかに空回りしているものの暑苦しい映画現場の雰囲気は伝わってくる。脚本もアクションも手に負えなかったのかもしれないが、その現場の熱だけはきっと守りたかったのではないか。ただ、スクリーンの向こう側のお客さんと現場の熱気はまた別次元なのだが、、、