ペジオ

84★チャーリー・モピック/ベトナムの照準のペジオのレビュー・感想・評価

2.7
ベトナム戦争をPOV(主観視点)で描いた映画という事で「クローバーフィールド」や「REC」、「クロニクル」等の後発のPOV映画に先輩風吹かせてもいい立場にある作品なのだが、いかんせんパンチに欠ける
低予算だからと言えばそれまでだが(爆発シーンは音のみ)、題材がそもそも「テレビの戦争」と言われていたくらいなのでこの程度の映像は普段からお茶の間に流れていたのではないだろうか
それを踏まえて数多のベトナム戦争映画は映像に物語性や思想を込める事で「名作」と呼ばれるものが生まれてきたのでは?

POVは観客の没入度を高める手法なので題材のフィクション性が高ければ高いほど力を発揮する手法だと思う
するとこの映画には圧倒的にフィクション性が足らない
しかしベトナムベテランでもある監督からすればそれは狙い通りなのかもしれない
こういった兵士達もこういったやり取りもこういった死も全ては本当にあった事であり、ありふれた事だったのだろうか
現実の戦争にドラマチックな展開や映像など存在しない

ノンフィクションをフィクション向きの手法で描いた結果、映画としては不出来だが、ある意味でベトナム戦争を最も正確に捉えた「映画」となったのかもしれない
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