パッケージを見ると、夏の青空の下で、たくさんの人を交えて、何か青春的な爽やかな戦いをするというイメージですが、それとはちょっと違いました。
この映画は、コンピュータネットワークの仮想空間「OZ」の中でのストーリーです。その空間にゲームの要素を含めているため、空間中でアバターを奪いまくるAIとの戦いのお話です。この空間内で、アバターを奪われてしまうとアカウントを奪われたことになり、例えば、システム管理者のアカウントがAIに奪われてしまうと、このAIがシステム管理者になってしまいます。
このAIに対して、真っ向勝負を挑もうと、数学オリンピックレベルの高校生の健二と上田市の武家の末裔の陣内家一家が立ち上がります。この健二は気の弱さ全開なのですが、それに負けずに頑張る姿を見ると応援したくなります。
また、陣内家のドンである栄ばあさんの活躍っぷりもいいですよね。活躍のすごさだけでなく、周りからも敬意を持たれています。こういう昔ながらの大家族の感じと、現代的な仮想空間とのギャップも面白いですね。
ただ、AIとの戦いの場面は、花札がわからないとなかなか没入できないかもしれません。(私は、こいこいって何?レベルです😅)
武家の流れをくむ大家族の古風さと、仮想空間の現代的な感じとの差がとてもいい雰囲気を醸し出している映画かと思います。
映画の中に出てくる端末やアバターのデザインが古い感じもしますが、仮想空間などは現代でこそ理解されるだろう背景でもあり、とても面白かったです。この仮想空間のトラブルを物語としたのは、公開当時にはかなり先進的だったのかもしれませんね。