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サマーウォーズのまるまるのレビュー・感想・評価

サマーウォーズ(2009年製作の映画)
4.7
「日本の夏!サマーウォーズの夏!」
昨日の金曜ロードショー冒頭に神木きゅんが言ってた言葉ですが、
これ、僕には全然大袈裟じゃないですw
夏が来ると、観たくなる映画。

日本の夏と言えば、
8月6日、9日、15日と平和セレモニーが続き、
不遇な死を遂げた多くの人達、ご先祖に思いをはせ、平和への戦いを誓う日ですが。
どっちにしても戦うとw
なんだか、世の不条理に対して戦いたくなる季節です(ホントか?)
そんな思いにかられると、頭の中で鳴り響くのが、この映画の♪てれれれれてーてーててててててー♪のあの音楽。
ばあちゃん!ばあちゃーん!!

この映画は、世界の危機に一族総出で立ち向かうことになっちゃった映画w
「負け戦だって戦うんだ。ウチはな。それも毎回」
「バカな家族!」
「そう。私たちはその子孫」
で腹を括る、武田家家臣の末裔一族と入り婿候補の高校生(主人公)w


お盆や法事があると、全国から親戚が集まって、近況報告やら思い出話やら話に花を咲かせるわけですが、親戚一同が頼もしく見えて、自分も負けてられない、この人たちに恥ずかしくない人間になろうと、そこに居るだけで何やら力強いエールをもらうわけです。
また、自分の知らなかった祖父祖母親戚父母の武勇伝にも出くわしたり。
人に歴史ありとは良く言ったもので、親戚を通して聞く、爺ちゃん婆ちゃんの昔話は、かなり刺激的。
なので、この映画はものすごく伝わって来た。
親族のいいとこだけじゃなく、めんどいところもw

この映画を観ると夢を見ちゃいますねー。
一族総出で何かできたら面白いだろうなぁって。


アニメだからよかったんでしょうね。
表情一つで、過たず心情が伝わってくるっていう。
さらに細田映画では仕草、間、構図、展開で、セリフにないとこまで、全部表現しちゃう。
大勢の登場人物全て、全員ちゃんと人間してた。
それにアニメだから、警視総監にハッパかける謎の婆ちゃんという設定も、特に気にならないw
「あたしの目に狂いはないよ!」で押し切っちゃっても、特に気にならないw
そんな婆ちゃんの子孫なので、見た目じゃわからないが、実はハイスペックってのも、気にならないw
むしろ素直に感心しちゃうこの不思議。
描かれてる事は大風呂敷もいいとこなんだけど、あちこちのシーンを観てて受ける情動に、いつか感じたリアル感情が蘇ってくる。不思議w
でも、実写でこれやられたら、鼻白んじゃうだろうなぁ。
やはり、所詮記号って割り切って見られるのが、アニメの良さなんでしょうか。
そこに他人(役者)が介在しないので、リアルとファンタジーの境目が、あんまり気にならないというか。
例えば、神木きゅんが実写映画で数学オリンピック候補演じたらどうなるかなぁと想像すると、やはり「うーん」と唸るところから始まると思うんです(失礼)
自分の思い込みを白状しちゃうと、アニメって(よくできたアニメに限る)キャラ全てに自分を投影できちゃうと思うんですよねー。
他人じゃなく、記号だから。
どんな最低キャラであれ、良く出来たパーフェクトマンであれ。そこに描かれてるのは、すべて自分。

なのでw
犬の気持ちがわかるw
障子戸に半分かくれる万助おじさんわかる(僕もやったことあるw)
言葉なく手を握ってくる親戚の子供わかる。
取り乱す侘助に凛と語る万理子おばさんわかる。
RX-7w翔太兄一人だけ違う事考えて、かつ口に出るのを耐える顔w
状況を知らないマイペース由美(三男嫁)の手を引っ張る奈菜(次男嫁)の顔。
万作おじさんのエロツッコミを顔の角度で軽くいなすナツキと真正面から受けざるを得ない健二とかw
どんな小さな描きこみでも、みんなわかったし、みんな自分だった。
冒頭の企みから侘助とのやりとりまでのナツキ。
何やらミステリアスで、大好きですw

金曜ロードショー特設サイトによると、この映画を作るにあたり、監督とキャラクターデザインの貞本義行で、伊丹十三映画を観まくる合宿をしたそうで、群像劇の描き方を検討したとのこと。
キャラデザの人と一緒にってところから、脚本で拾い切れない細かいところでどういう描き方するのか、キャラ一人ひとり、いちいち気持の推移と表情を確認してたのかなぁと。
北野武の言う「アニメはずるい」っての、わかる気がするw

男陣、女陣、子供陣、はぐれ者、でバラバラだった一族の表情が一つになってく描写・展開。
圧巻でしたーw
コイコイ!
An Natsuki
Bitte benutz' meinen Account.
るーるるーるるー♪


子は親の背中を見て育つ。ついでに婆ちゃんの背中と、ご先祖の背中も。
栄婆ちゃんの若いころの写真と、おびただしい数の古い手紙のカット。
経て来た時間と栄婆ちゃんの骨太さを感じる良カット。
自分の婆ちゃんと重なった。

よかったなぁ。
「あんたならできる」
無責任の極みともとれる、このセリフを、ここまで輝かせた栄婆ちゃんに感動。


「家族同士、手を離さぬように。
 人生に負けないように。」


この映画を観てから、ジブリ映画が少し色褪せて見えるようになった。
やはり、ここじゃないどこかの雲上人より、どこか現実と繋がってる人達の話が面白い。
もっと、こういうエンタメ寄りのヒューマンアニメが見たいなぁ、と思う今日この頃でした。


山下達郎「僕らの夏の夢」