eiganoTOKO

3人のエンジェルのeiganoTOKOのネタバレレビュー・内容・結末

3人のエンジェル(1995年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

NY舞台でドラァグクイーン、完全にプリシラから影響受けて出てきた作品。

To Wong Foo - Body Beautifulかけながらメイクするの爆上げ❣️
自分自身アンセムソングだわこれ。
トムジョーンズのShe is the ladyとかも、ドラァグコンテストでかかると意味違ってくるから!女装男性もそうだけど、トランス女装も参加してるはず。だからこの歌詞がささる。
当然監督のセンスというより、現場ではこうゆう皮肉セットリストがかかりまくり。ドラァグの文化は文脈を大事にする。

一番良かったのは、ゲイ、もしくはトランスジェンダーだって気づいてたのに、「女性の親友ができて嬉しい」とキャロルとヴィーダが熱い言葉を交わすシーン。
ここは絶対正義!
あといちご祭りのとき、やんちゃな男が来てる変な牛とイチゴのTシャツ笑
みんなが口々に「私がドラァグクイーン」「俺もクイーンだ」というのは誰が女で、誰が男かなんてくだらないね、というメッセージとして受け取りました。
男でも女でもなく、エンジェル〜。

終わり良ければすべて良し!と言いたいところだけど、時代もあるだろうから目を瞑りたいけど、やっぱ雑な印象もあった。
DV被害のキャロルを励ましたり、子供の恋を応援したり、口の利き方を知らない男の玉掴みスパルタ、シスターフッドは良いし、看板で告白するのとかきゅんとするんだけど、他がかなり適当な印象。
バスケのシーンとかいらないでしょ笑
ボビーリーの失恋から次の女に行くの早すぎだし!
警察が襲われて仲間が調べないとか、んなことある?この時代だから、黒人が関わってたとなれば血眼で探してたはずよ。
性犯罪への抵抗なんだから、正当防衛とも言えるけど、シリアスな展開にするために人殺しって安直すぎる。
プリシラではドラァグの衣装を着替える理由が脚本に書かれてたけど、この作品では衣装がコロコロ変わっていつ着替えたん⁇という疑問が。めっちゃおしゃれだけどさ、ドラァグクイーン出しときゃエンタメとして成立するというのが逆に美しさが絶対!を強調しすぎてる気もする。

作品内のちょっとした勧善懲悪な上から目線がきになるな、と思ってたら監督がビーバンキドロンで納得。
この人、ブリジットジョーンズ2でも人種の複雑さをクソ適当に扱ってたんだよね。
ゲイが田舎を救うなんて単純なお話はファンタジーすぎて、逆にいい人のゲイやトランスならオッケーという強調になっちゃう。
田舎のことをちょっと馬鹿にしすぎです。吃音の人も、適当な端役。
確かに保守的で、男尊女卑がひどいのはわかるんだけど、だからと言ってそんな単純に人が変わるかね?とか、DVの夫はどうなった?みたいなツッコミどころも。
もっと複雑な人間関係はコメディでも描けるよ。
やっぱり現実的な差別も描かれてて、それでも明るく突き進むプリシラと比べちゃう。
3人の中ならウェズリー・スナイプスが一番人間味あふれるズルさやドライさを持ち合わせていて好感持てた。

あと、トランスジェンダー、トランスベスタイト、トランスシェクシャル、ドラァグクイーンの説明が出てくるけど、ほとんど間違ってる…。

どうでもいいけど外国人が食べてる赤い紐ってまずそうなのに食べたくなる不思議。
あとレストランで「あなたの美を分けて欲しい」と言う客がナオミキャンベル。気づかなかったけど十分ムッチャ綺麗じゃんて思った。
あと司会者がル・ポール!
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