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グラン・ブルー/オリジナル・バージョンのKUBOのレビュー・感想・評価

4.0
『ドルフィン・マン』鑑賞前に、復習と言うのも変だけど、ジャック・マイヨールの名を知らしめた名作『グラン・ブルー』を実に31年ぶりに鑑賞。

考えてみれば、リュック・ベッソンの名前を知ったのも、この『グラン・ブルー』が最初。当時はこの『グラン・ブルー』をはじめ『ビッグ・ウェンズデー』などの海を舞台にした映画を店内のスクリーンに流しっぱなしにしてるカフェとかが流行りだったなぁ。カフェバーとか言う言葉もこの頃できた。

エリック・セラの音楽も素敵で、サントラも大ヒットしたっけ。

シチリア島、コートダジュールなどの景色をバックにした映像は、どこを切っても美しい。

主演のジャン=マルク・バールさんとは、2017年の東京国際映画祭でグランプリを受賞した『グレイン』の上映後にお会いしたが、確かに『グラン・ブルー』の青年が歳を重ねた顔だった。

ライバル、エンゾ役のジャン・レノとの素潜りでの対決、まだ若くてかわいいロザンナ・アークエットとのロマンス、美しいイタリアの風景と、シンプルながらバランスのとれた素晴らしい作品になっている。

本作の大ヒットで一躍有名になったリュック・ベッソンだが、次は『レオン』でバイオレンス、その次は『フィフス・エレメント』でSFと、毎回ジャンルを変えて作風も違うから、当時、つかみどころのない監督だなぁ、とか思ったのを思い出す。今、振り返ればSF・ファンタジーの方が多い監督なので、逆にこの『グラン・ブルー』の方が珍しいのかも。

30年経っても名作は色あせることなく、当時の思い出と共に、また楽しませてくれる。さて『ドルフィン・マン』はいかに?




*劇中、めちゃめちゃ変な日本人の一団が出てくる。最近は少なくなってきたけど、当時はこんな、ちょっとバカにしたみたいな表現をよくされたものだ。
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