アキラナウェイ

100歳の少年と12通の手紙のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

100歳の少年と12通の手紙(2009年製作の映画)
4.3
いや〜、泣いた泣いた!
泣いたけれど、泣き笑い。
悲しいけれど、それだけじゃない。
笑って泣いて
あたたかいものを心に残してくれるフランス産の素敵な物語。

白血病で余命僅かとされる10歳の少年オスカー。彼は病院で、同じく難病の子ども達と暮らしている。腫れ物に触る様に大人達は笑ったり叱ったりしなくなってしまった事や、何より自分と向き合ってくれない両親に腹を立てたオスカーは心を閉ざしてしまう。ただ1人を除いて…。

ここで登場!
元プロレスラーのピザ屋の店主、気が強く、口の悪い女性ローズ!ローズを気に入ったオスカーは、彼女に毎日来てくれとせがむ。

病院も人助けも大嫌いなローズだが、オスカーと話をする為の病院通いが始まる。

ローズが訪れるのは大晦日までの12日間。
ローズはオスカーに2つの事を勧める。

1日を10年として生きる事。
神様に毎日手紙を書く事。

神様への手紙は風船に括り付けて空に放つなんて、素敵過ぎる!

誰にも嘘はつかない、誰も区別しない、オスカーを特別扱いしないローズが彼にまるで魔法をかける様に。
たった12日の出来事がキラキラと輝き始める。

20代、30代、40代…オスカーは人生の残り12日間、まさに人生を謳歌する。そして、齢を重ねる毎にオスカーの心にも変化が現れる。

もう何せオスカー役アミールくんが可愛いったらないよ!!そしてオスカーとローズの掛け合いが本当に微笑ましいし、機知に富んでいて、ハッとさせられる様な素敵な言葉が飛び交うのが素晴らしく、いつまでも観ていたい様な気分に。

ローズのプロレスラー時代の回想シーンはまぁドリフのセットみたいなチープさがあるんだけど、それも子どものイマジネーション。そのバカバカしさがシリアスなストーリーをほっこりさせる重要なエッセンスになっている。

オスカーは120歳になるまでに、
恋をして、失恋して、
両親と和解して、
神に見(まみ)え、
世界の神秘に触れる。
つまり、彼よりも長く生きる僕らだって同じ事が出来る筈。

人生を全うするとはどういう事かをオスカーに教えてもらいました。