10歳で重い白血病を患ってるオスカーが偶然知り合ったローズと心の交流を交わす話で、暗くなりがちな台材を空想を多用した演出でおとぎ話みたいに仕立ててるのが良かった。
冒頭の学校シーンでオスカーがイタズラの常習犯ということが分かるんだけど、彼の病気を知ってる先生が遠慮して怒れないんだよね。
両親も含めて周りがみんな腫れ物に触るように接してくるのが耐えられず、ついに心を閉ざしちゃうところで、そんな事情を知らないローズと病院で偶然ぶつかって彼女から汚い言葉で罵倒されるのが妙に嬉しそうなのね。元女子プロで今はピザ屋をやってて、まともな教育を受けてなさそうなんだけど嘘のない真っ直ぐな心を見抜いたんだね。
このオスカーが子供ながらに鋭い視点を持ってて、上っ面な大人の言葉を拒絶してしまうのが小憎らしいを通り越してちょっと怖くなる。
1日10年換算でオスカーがちゃんと人生のイベントを踏んでいくのが上手い演出だった。おませな恋の展開はいかにもフランスらしかったね。
オスカー、ローズそれぞれ役者さんがハマってて、マックス・フォン・シドーの地味ながらも全体を支える存在感も良かった。