ほーりー

ミリオンダラー・ベイビーのほーりーのレビュー・感想・評価

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)
4.3
この映画も昔観たときは衝撃だった。

普通のボクシング映画としてもよく出来てるけど、後半の壮絶な展開は観る前は全く予期していなかった分、強烈なショックでありました。

「セブン」もそうだけど、モーガン・フリーマンが語りをやってる映画は、最後、鬱になるような展開ばっかしのような気がする。

「グラン・トリノ」と並ぶ2000年代を代表するイーストウッド監督作品で、テーマがテーマだけあって、当時の保守団体やキリスト教徒から批判を受けたものの、見事、この年のアカデミー作品賞を獲得している。

恵まれない家庭で育った女性(ヒラリー・スワンク)が、プロボクサーを目指すために門戸を叩いたのが、かつて止血係のプロと賞された老人(イーストウッド)が経営するボクシング・ジムだった。

最初は「うちでは女性は取らない」と断った老人だが、彼女の熱意やジムの雑用係で元ボクサーの男(モーガン・フリーマン)の説得に絆され、ついに彼女のトレーナーとしてコンビを組む。

老人の指導のもと、めきめきとボクサーとしての才能を開花させた彼女は、いよいよ世界チャンピオンと対戦する……。

本作をはじめ「グラン・トリノ」や「硫黄島からの手紙」「ハドソン川の奇跡」を観てると、生と死のはざまで人はどう決断するのか……というのを常に描いてきた監督がクリント・イーストウッドなんだと思う。

終盤、ヒラリー・スワンクにダニのように群がるスワンクの家族たちを彼女がギャフンと言わせる場面。
「グラン・トリノ」のラストも似たようなシーンがあったけど(そういえばどちらも遺産相続がらみのシーン)、どんなに重くてもちょっと観客の心をスカッとさせる場面を用意してくれるのも良い。

■映画DATA==========================
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ポール・ハギス
製作:ポール・ハギス/トム・ローゼンバーグほか
音楽:クリント・イーストウッド
撮影:トム・スターン
公開:2004年12月15日(米)/2005年5月28日(日)
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